中島酒造店は、輪島市内で明治元年に創業した酒造蔵で、8代目の中島遼太郎さんが当主件、杜氏で酒造りに励んでおられました。 遼太郎さんが26歳の時に、父である浩司さんが60代の若さで急逝し、そこから県外の蔵でも酒造りを行いつつ、ここ数年、自身の蔵で酒造りに専念していた矢先、令和6年1月1日の能登地震が起こり、蔵はほぼ全壊してしまいました。 遼太郎さんのお酒は、本当に彼自身の性格が出た、優しく味わい深い。銘柄“末廣”でしか感じないような良いお酒で、近年では県外にもファンが増えつつあり、楽しみな蔵の1件でした。 決して派手では無く、でも、日本酒の素直な美味しさ、ゆっくりとついつい飲み進めてしまうお酒。今は、先輩杜氏が在籍されている、小松市の“東酒造(銘柄:神泉)”でお酒造りをしており、輪島の蔵が再建出来るまで、東酒造さんが設備の使用支援などをされます。 東酒造で造られた、遼太郎さんのお酒を飲みましたが、これほどの困難の中、協力もあったとは言え、素晴らしい味わいのお酒を造り出しています。 本人も輪島に強い愛着があり、もう1度輪島の地でお酒造りを行えるよう、時間のある時は輪島へ行き来されています。是非、今後も注目して頂きたい銘柄であり、人です。 |
能登の小さな酒蔵、中島酒造。 令和6年に発生した、能登沖地震の影響で酒蔵も自宅も全壊となりました。 絶望の淵にいた杜氏で蔵元の中島遼太郎さんは、ガレキの中から無事だった酒米をボランティアの方や地元のJAの方達によって救出頂き、この酒米が残っていたことで「もう一度、頑張ってみよう」と思ったそうです。 まだまだ震災後の影響は色濃く、地震も被災しながらの酒造りでしたが、石川県の小松市にある東酒造さんで酒を仕込み完成したのが、このお酒です。 今後、酒蔵を再開するまでには時間を要しますが、能登の地に想いを馳せて飲んで頂ければと思います。 アルコール度 15% 蔵元:中島酒造・醸造場 東酒造 酒米:五百万石 100% 内容量:720ミリ